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優しすぎる彼 5

Autor: 煉彩
last update Data de publicação: 2026-03-07 20:55:26

 蓮さんは、どんな感じのものが好きなんだろう?

「真っ赤じゃん、紐だけじゃん!隠せるところないじゃん」

 世の中の大人の女性って、こんなに面積が少ない下着を着ているの?

「えー。いいと思うんだけどな。黒崎さんの趣味がわからないから。あんな爽やかそうな顔しているのに、実は派手な方が好きだったりして。それか、黒崎さんのイメージ通り、純粋っぽいやつが好きとか」

 自分の提案するものがすぐ却下になるため、優菜もだんだん悩み始める。

「うーん。黒崎さんってどんなのが好きか知っている?」

「蓮さんの好みの下着なんてわからないよ」

 好みがわかったら、こんなに長時間悩んだりしない。

「じゃあさ、聞いてみようよ。美桜が聞きにくかったら、私が聞いてあげるから」

 優菜がスマホを取り出す。本気で聞き出そうとしているから怖い。

「ダメ!そんなこと聞けないよ」

「せめて、好きな色とかわからないの?」

 蓮さんの好きな色は……。

「それならわかるかも!」

 蓮さんの家で話をしていた時

「俺の好きな色ですか?」

「はい。蓮さんの家、すごく落ち着いた雰囲気なのでやっぱり黒とか好きなんですか?」
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  • 運命の輪~愛してる~   蓮の覚悟3~黒崎蓮side~

    「そうですか。それは良かった。何かあったらすぐに連絡してください」<ありがとうございます。蓮さんはこうやって毎日気にかけてくれて。助かってます> フフッと電話越しに笑う彼女が愛おしいと感じる。<今日は、少し変わった珈琲の淹れ方を店長が特別に教えてくれたんです。練習するので、今度飲んでみてください> 俺が珈琲が好きなことを彼女は覚えていてくれ、美味しい珈琲の淹れ方や飲み方を会った時には教えてくれる。彼女が笑いながら教えてくれる様子は、俺にとって癒される時間でもあった。「はい。ぜひ楽しみにしています」<蓮さんは何かありましたか?今日も残業だったんですか?> 残業と言われれば、そうだ。だけどこうも毎日残業続きだと美桜が心配するから。<今日は少しだけ残業して帰ってきました。今は動きやすい季節なので、外回りに向いていて。たくさん歩くので、お腹が減るんですけど、何を食べても、やっぱり美桜の作ってくれたご飯が一番美味しいなって思ってしまいます> こんなこと、伝えられる女性ができるなんて、ちょっと前までは思っていなかったのに。<蓮さん、褒めすぎです。でも嬉しいです。今度会ったら美味しいって感じてもらえるようなもの、頑張ります> 普段はしっかりと自炊をしている彼女だ。 大学にも自分で作ったお弁当を持っていく日もあると聞いている。 いつか、俺も作ってもらいたい。そんな想像までしてしまう。 エプロンをして、キッチンに立つ姿、今はたまにしか見ることはできないけれど、本当であればもっともっと一緒にいたい。「それもまた楽しみです」  今日、上司から言われた社長の娘から気に入られているという話など、できるわけがない。 こんな平和な会話のあとは、ゆっくり眠れる自分がいた。 ああ、美桜に会いたい。  それから上司と調整をして、育成プログラムを組んだ。 もちろん社長の娘である子が入社するために。 新卒なら、四月採用がほとんどであるのに、この子は違う。 どこかで働いてきたんだろうか。年齢は俺よりも二歳ほど年下だ。大学を卒業してから、他社で働いていたんだろうか。履歴書も何も機密情報になっていて、情報などほとんどない。 今日はその子、大竹亜香里(おおたけあすか)という子が入社をする日。 社員もどこかざわついている。「どうしてうちの部署なんだよ。新卒って、

  • 運命の輪~愛してる~   蓮の覚悟2~黒崎蓮side~

    「まぁ、これは内密にとは言われていないから伝えるけど、なんかその社長の子どもが黒崎を直接指名してきたんだ。だからてっきりお前と知り合いなんじゃないかと思ってた。けど、違うんだな。島田さん関係のことだと勘違いをしていたよ」 島田さんは、俺をアメリカへ連れてきた人だ。今はOBとして関わりがある。 プライベートではたまに食事に行ったり、買い物に付き合ったりしているけれど、そんな話、島田さんからは聞いていない。あの人なら、何かあれば素直に相談してくれるはずなのに。 黙って上司を話を聞き、俺が指名をされて理由を考えていると「あー。もしかしたらの話なんだけど。そんな理由でって思うかもしれないが、黒崎の容姿に関係しているかもしれない」 ばつが悪そうに先輩は髪の毛を掻いている。「俺の容姿……ですか?」「なんか、会長とその子が話しているのを聞いた社員がいて。黒崎のこと、かっこ良いとか、あの人がいいとか、お前を偶然に見て、そんなことを言ってたって話を聞いたんだ。何のことか最初はさっぱりわからなかったけど、まさかこんな子どもみたいな理由で、会長も支持を出してくるなんて思わないだろ?これはまさかの可能性なんだが」 会長は孫を溺愛しているって話はよく聞く。 だが、私情を挟んでくるなんて。失望した。「それが本当だとしたら、すごくくだらない理由ですね。頭にきます」 上司の前ではあるが、ふぅと息を吐いてしまった。「俺たちも同じ気持ちだよ。上は何を考えてんだか。とりあえず、黒崎がいてくれなきゃ回らないところもあるのは事実だから。一応、パートナーってことで新人担当で組んでもらうけれど、外回りとか、ご贔屓にしてくれている取引先には黒崎が今まで通り対応してもらって。黒崎がいない時は、こっちで担当表組んで考える」「理不尽で納得できないかもしれないけど、怒るなよ。普通に接しろ。女性には興味がないことは知っているけど、新人は新人だから。しかも社長の娘。それを少し頭に入れて対応を頼むよ。マニュアルとか、こっちで作ってもらうよう頼んでおくからさ」 俺は女性に興味がない、それは以前のことだ。 社内の誰にも言う必要はないと思っているけど、大切な彼女が今はいる。 仕事上の相手だ。美桜に言う必要はないな。 彼女のことだ、もし話したら心配するに決まっている。だけど美桜だけに言えることは、彼

  • 運命の輪~愛してる~   蓮の覚悟~黒崎蓮side~

    「おじいちゃん。あの人、うちの会社の人!?」「そうだよ。あの子は俺の友人の孫みたいな存在なんだ。生い立ちが可哀想だから、思わず海外から日本へ連れ帰ったんだ。仕事もできる子みたいだし、将来うちの会社を支えてくれる上層部になりそうだ」 外資系の大手企業のエントランスの中、そんな会話がなされている。 今日はたまたま入社するはずの企業の下見に来ていた。 一般の入社ではない。いわゆる「親の力」を使ってのコネ入社と言われるものだ。 彼女、大竹亜香里(おおたけあかり)24歳の祖父は会長、父は社長というポジションについている。 彼女はこの仕事に興味があって入社するわけではない。絶対的な安定の下で成り立っている会社で、親の関わりをうまく使いながらゆっくりと仕事ができれば良いと考えている。<あの人>と呼ばれたのは、社内でも有名な「黒崎連(くろさきれん)」だ。 彼は普通に出社のためエントランスを歩いていただけだが、その容姿からかなり有名だった。 アメリカからの帰国子女、アメリカでの生活がかなり長かったというのに、きれいな日本語で礼儀正しい。ただ、どこか冷たい雰囲気もあり、必要以上に他人とコミュニケーションをとらない。仕事はそつなくこなし、成績も良いから上層部でも彼の名前があがる。彼を日本へとスカウトした島田という人物はすでに定年を迎え、今では大きな力はなくOBとして時折経営会議などに出席するくらいだ。「ええ。亜香里のタイプなんだけど。おじいちゃん。あの人に私の新人研修をお願いしてくれない?」「それはな、一応会社の決まりってものがあるから。黒崎くんは会社の前衛で商談しているクラスの人だから。ちょっと難しいかもしれないな」 可愛い孫の頼みでも、難しいことはある。 やんわりと言い聞かせれば、亜香里も理解できるだろうと思っていた。「えー。お願い!あの人がいい!じゃないと、おじいちゃんが秘密で会社のお金使っていること、公表しちゃうからね!」「なっ!?」 そんなことをしていないと反論をすれば良かったか。いや、事実だ。 まだ亜香里が小さかった頃に軽く話してしまったことがある。「おじいちゃんは偉い人だから、会社のお金を自由に使えるんだよ」と。 それを亜香里は覚えているのか。実際に、会社の金で亜香里にプレゼントをしたこともある。お小遣いだと言って、現金を渡したことも

  • 運命の輪~愛してる~   理由 2

    「どうしていいのかわからなくなった時、美桜に辛かったら別れた方がいいなんて言ってしまいましたが、本心じゃありませんでした。本当は別れたくない。打開策が見つからなくて、あんなことを言ってしまってすみませんでした」「私も蓮さんがそんな大きなことを抱えていることを知らずに、自分のことばかり考えてました。謝るのは私の方です。蓮さんを信じるって言ったのに。辛さに負けて、さよならなんて……。本当はしたくなかったのに」「理由もわからないのに、あんな態度をとられたら誰だってそう思いますよ?美桜は全然悪くない。俺、美桜が残してくれた手紙を読んで、はっきりわかったんです。俺は、美桜がいないとダメだって」 蓮さんの家に荷物を取りに行った時、残してきた手紙をちゃんと読んでくれたんだ。「だから、戦うことにしました。まずアメリカに行き、祖母に事情を話しました。そしたらそんな馬鹿な会社、こっちから契約を切ってやるわって言ってくれて。ここ数年、事業の方は上手くいっているらしくて、もし俺の会社との取引を止めればもちろん収益は下がるみたいでしたが、倒産とかそこまでにはならないようでした。俺が日本にいる間、祖母もいろいろ頑張ってくれていたらしく……。祖母の方はなんとかなりそうでした」「ここで会社を辞めればいいと簡単に考えてしまいましたが、逆恨みをされて、美桜に危害があっても嫌でしたので、会社のブラック的な部分を調べ、こちらが優位に立てるよう内部を調べました。そしたら、簡単にとある政治家に不法な献金をしていることがわかりました。世の中にこれが出回れば、もちろん会社も大ダメージを受け、社長は辞職しなければならないでしょう。証拠を揃えて、公表してほしくなかったら、今後もう二度と関わらないように約束をしてもらいました。もちろん、俺が狙われる可能性もあったので、証拠のUSBは俺じゃない違う人が持っています。そして、会社を辞めてきました」 なんというか、すごいという言葉しか浮かばなかった。 私よりそんなに歳が離れているわけでもないのに、ここまでできるだろうか。「ただ、どんな事情があったにしても、美桜には謝ることしかできないです」 もし、美桜が別れたと思っているのであれば、もう一度俺と付き合ってください」 ドキンと心臓の鼓動が速くなる。「都合が良い……。と思われてしまうかもしれませんが、俺は美

  • 運命の輪~愛してる~   理由 

    「美桜は、家に帰らなきゃいけませんよね?」「帰らなくても大丈夫です」 母は病院だ。私の帰りを心配する人は誰もいない。「きちんと説明したいんです。どうしてこうなったのかを……。もし良かったら、俺が泊るホテルに来てくれませんか?」「はい」  話せるようになったのだろうか、連絡が取れなくなった理由、女の人といた理由を。「歩けますか?抱っこしましょうか?」 蓮さんは変わらず以前のように手を優しく引いてくれた。「ホテルに行く前に、コンビニに寄ってもいいですか?美桜の足から出血してます。消毒しないと……」  ああ、いつもの蓮さんだ。 あの女の人にも……。こんなに優しかったのかな。 キスしていたところを思い出し、複雑な気持ちになる。 コンビニにより、蓮さんは消毒液と飲み物を買ってくれた。 蓮さんが泊るという駅前のホテルに着く。 チェックインはしており、一応、二人部屋で予約をしてあるから入っても大丈夫だと言う。  ビジネスホテルのため、そんなに部屋は広くはなかった。 窓際の椅子に座らせてもらう。「ちょっと沁みますよ?」 出会った頃のように、変わらずテキパキと消毒をしてくれる。 嬉しい……と感じてしまうのは、私の感情がおかしいのだろうか。「ありがとうございました」「温かいお茶、飲みますか?」 そう言って、ホテルにあるポットを使ってお湯を沸かし、紅茶を淹れてくれる。私が紅茶が好きだって覚えていてくれたんだ。 蓮さんが淹れてくれた紅茶を一口飲む。そんな私の様子に彼は安堵しているようだった。 彼と机を挟み、対面になる。 何を話していいのか、言葉が出てこない。「辛い思いをさせてすみませんでした。どうしてこうなったのか、やっと話せる時が来たので、会いにきました。許してもらえるとは思っていません。いきなりあんなことになってしまって。美桜には謝ることしかできません」 蓮さんは目を下に落としながら、ふぅと深く息を吐いた。「美桜に連絡をしようと思ったら繋がらなくなっていて……。アパートも転居しているようだったので、アルバイト先にも何度か行ったんですが、働いていないようで……。大学にも行きましたが、会えませんでした」  蓮さん、私のことそんなに探してくれたんだ。「唯一、残された手がかりとして、優菜さんがいました。優菜さんももちろん俺の

  • 運命の輪~愛してる~   彼がいない世界 4

     振り返ると、畑野さんがうしろに立っていた。 周りには誰もいなかったため、嫌だなと思ってしまう。「先ほどはありがとうございました」 とりあえず、お店に来てくれたお礼を伝えよう。「美桜ちゃんに会いたくてね。おじさん。本当だよ?」 酔っているのかわからない。が、段々と近づいてくる。「お母さん、大変なんだってね?お金……も大変なんでしょ?」 後ずさりするわけにもいかず、立っていると、ついに畑野さんは私の肩に手を回してきた。 いやだな。お酒臭い。「おじさんのお願いを聞いてくれたら、お金のこと、相談に乗ってあげてもいいよ?」 顔が近い。振り払いたいけどこの人はお客さんだから。できるだけ我慢しなきゃ。「お気遣いいただき、ありがとうございます。でも、大丈夫ですので。またお店に来てくださいね」 私は畑野さんから離れようとした。 お願いとは、きっと身体の関係とか。パパ活とかそんな話だよね。「そんなこと言わないでさ。美桜ちゃんがおじさんのお願いを一つ聞いてくれるだけで、お金を援助してあげるって言ってるんだからさ?簡単なことだよ」 畑野さんはなかなか離してくれなかった。 どうしよう、強引に離れることはできるかもしれない。 常連さんだし嫌な思いをさせたら、せっかく雇ってくれたスナックのママさんに迷惑をかけてしまう。「ごめんなさい。結構ですので」 私が少し強引に畑野さんから離れようとした時「おい、馬鹿にしてんじゃねーぞ。こっちが優しくしてやってんのにさ。お前くらいのガキはどこにだっているんだよ?調子に乗るなよ!」 そう言われ突き飛ばされ、勢いよく転んでしまった。 痛い、膝から出血しているのが見えた。 男の人ってみんなこうなの? 東京での出来事を思い出す。 そして、転んでケガをした時、蓮さんに手当てをしてもらったことを思い出した。「なんでこんな時に……。思い出すんだろう」 独り言だったが、声に出して呟いてしまった。 「ああ?なんだって?」 畑野さんはまだ怒っているらしく、私に近寄ってくる。 お酒のせいか、正常だとは思えなかった。 私は、地面に座り込んだまま動けない。 次は何をされるんだろう? そう思った時ーー。「何をしてるんですか?」  この声、何度も聞いたことがある。 声のする方向を見ると、そこにいるはずのない人が

  • 運命の輪~愛してる~   プライド 5

    「はあ?」 思わず優菜が声を上げたが「大丈夫。行こう?」 私たちはその場から離れる。「ああ、ムカつく!なにあれ?」 空いている教室で優菜と話す。「どうするんだろうね。どうやって黒崎さんと会うつもりなんだろう。連絡先だって知らないのに」「わからない。だけど、私は負けない」  頭を抱えそうになるけれど、蓮さんは私のことが好きだと言ってくれている。それに人を簡単に傷つける彼女は、きっと蓮さんは嫌いなタイプの子だ。可愛いからってすぐに好きになるような男の人ではない。蓮だってしばらく恋愛はしていなかったって言っていたし、社内からモテるってこの前言われてた。真帆ちゃんに騙されるわけがな

    last updateÚltima atualização : 2026-03-28
  • 運命の輪~愛してる~   プライド 3

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    last updateÚltima atualização : 2026-03-27
  • 運命の輪~愛してる~   初デート 5

     二人でベンチに座り、ジュースを飲みながら海を見る。「楽しかったですか?」「はい、楽しかったです。また来たいです」「初めてのデートでしたけど、どこか不満はありますか?」 不満なんてとんでもない。「そんなことっ!」 あっ、一つだけお願いしたいことがあった。「黒崎さん。これから私のこと、呼び捨てで呼んでほしいです。美桜って」 彼は優しい顔をしながら「わかりました」 返事をしてくれた。 「じゃあ、俺のことも名前で呼んでください」「えっ?」「俺も名前で呼んでほしいです」 黒崎さんを名前で呼ぶ。 自分で言い出したことなのに、急に恥ずかしくなっちゃった。「名前で呼んで?

    last updateÚltima atualização : 2026-03-23
  • 運命の輪~愛してる~   初恋 13

    「私、この後、昨日のことを警察に相談に行きます。黒崎さんと約束しました。逃げないできちんと話をします。もしかしたら他にも嫌な思いをしている人がいるかもしれないから」 川口さん《あの人》を許せない。 もしかしたら、私と同じような目に合っている人もいるかもしれない。 昨日のことを鮮明に思い出して伝えるのは、恐い。フラッシュバックして、泣いてしまうかもしれない。でも、黒崎さんに支えてもらって、このままじゃいけないよね。「わかりました」 私の気持ちを考えてくれたのか、黒崎さんは何も言わなかった。肯定も否定もしない。  ただ「俺が送って行きますね。美桜ちゃんが警察で話が終わるまで、近く

    last updateÚltima atualização : 2026-03-19
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